街を見渡すルーフテラス付き!モルタル仕上げの70年代ヴィンテージマンション
ぶっけんFOCUSファンのみなさま、大変ご無沙汰しております。
約4年ぶりに新しい物件の紹介をしたいと思います。
今回訪れたのは新潟市中央区堀之内南1丁目に立つローズベイマンションの7階のお部屋。2年ほど前に株式会社コーディネートが取得し、昨年末にフルリノベーションを終えてこの春に販売を始めた買取再販物件です。
ローズベイマンションが立っている場所は、笹出線沿いにある「ファッションセンターしまむらとやの店」さんのすぐ南側。
上の写真の後方に見える「ローズベイ」と書かれた塔屋が空に突き出している建物で、SRC造の8階建て。1979年に完成した築47年(※2026年時点)になるヴィンテージマンションです。
こちらの写真はマンションの入口がある北側から見たところ。手前が6階建て、奥は8階建てになっています。
次の写真は建物の奥に回って南東側から見たところです。
近年のマンションではあまり見られないアールが付いたバルコニーが印象的な外観ですね。ちょうどバルコニーの住戸と住戸の間に半円部分が突き出していて、優美なアクセントになっています。
こちらのマンションの魅力の一つが立地の良さ。徒歩2~4分圏内にドラッグストア、飲食店、ドーナツショップ、スーパー、衣料品店などが集積しています。
また、和合線までわずか300mという距離なので、和合線沿いにあるコンビニやファミリーレストランも歩いて5分かからずに行けてしまいます。
新潟駅までは約1.6km(徒歩約22分)、2025年に開業した越後線上所駅までは約900m(徒歩約12分)という距離です。新潟駅はものすごく近いというわけではありませんが、新幹線の起点となる新潟駅までタクシーで1000円程度で行けるのは、やはり大きな魅力です。
また、笹出線・和合線両方の主要道路が近いため、路線バスでの移動もスムーズ。新潟バイパス桜木ICへのアクセスも良く、車で市外に出る際も混雑する市街地を短時間で抜け出すことができます。
悪天候でもストレスがない、ピロティと中廊下。
さて、そんな便利な場所にあるローズベイマンション。共用部がどのようになっているのか見てみましょう。
エントランス部分の壁には「ローズベイマンション」の文字が見えます。1970年代に使われていた書体が、こうして現役の表示として使われているのは感慨深いものがあります。
エントランスはゆったりとしたピロティになっているので、雨や雪の日も楽に出入りができます。また、この入口部分だけはレンガ調のタイルで仕上げられており、美術館のような気品を感じさせます。この壁を背に写真を撮ったら素敵なポートレートになりそうです。
管理人室があるホールを通り抜けて右手に進むと、大きなガラス面から光が注ぐホールが続きます。
段差がありますが、スロープが付いているので車椅子でもスムーズに行き来できます。
そして、奥へと進んでいくと中廊下が続いています。上の写真の右手奥に進むと、すぐ左手にエレベーターがありますので、そこから今回ご紹介する部屋がある7階へと上がります。
7階に到着しました。廊下を少し進んでいくと、今回のお部屋の入口に辿り着きます。
廊下の突き当たりに大きな窓がありますので、中廊下ですが暗くならず心地いい光で満たされています。
玄関ドアの右側に目を向けると、金属製のふたが付いたくぼみがありました。近付いて見てみましょう。
これは牛乳瓶受けですね。近年のマンションには付いていませんが、かつて牛乳配達が一般的だった時代の集合住宅によく見られる設備です。
昭和の暮らしを今に伝える牛乳瓶受け。工夫次第で何か面白い使い方ができるかもしれません。
元の内装をすべて解体し、広いワンルームにリノベーション。
では、ここから部屋の中を紹介していきたいと思いますが、その前に改築前の間取りを見てみましょう。
専有面積は68.04㎡(20.58坪)。南側のベランダが9.02㎡(2.72坪)。そして、この部屋に特別感を与えているのが東側に広がる48.00㎡(14.52坪)のルーフテラスです。
「元々の間取りは、和室が多く設けられたよくある昭和のマンションでした。しかし、7階のこの部屋だけは唯一のテラス付き。テラスは共用部ですが、専用使用権が付いていますので、この部屋に住む方だけが使えます。そんな特別な部屋なので、しっかりとリノベーションをして付加価値を付けたいと思いました」と、株式会社コーディネートの猪野哲也さんは話します。
そして既存の内装をすべて解体。
コンクリートの躯体に囲まれた20坪の大きな空間が現れました。
そして、こちらが新しい間取りです。
「20坪ですとファミリーで暮らすには少し小さいですし、近年は少人数で住む住宅のニーズが高くなっています。それで、ターゲットを単身者やカップルに絞り、個室をつくらずに広々と使える間取りにしました」と猪野さん。
玄関からLDKへ、左右2つの動線が選べる間取り。
ではここからいよいよリノベーションされた部屋の内部を見ていきましょう。玄関ドアを開けたところがこちらです。
正面に土間があり、両サイドに床が張られています。左右両方から上がれる設計で、左に行けば廊下を通ってLDKに、右に行けば洗面脱衣室を通ってLDKに入れる回遊動線になっています。
左手側を見たところがこちら。
なんと、壁や天井、柱・梁に至るまで空間の外周の大部分がモルタルで仕上げられており、窓から入った光がその質感を際立たせています。
それは、作為的におしゃれに仕上げたというよりは、古い工場を用途変更したギャラリーのような、そもそもの建物の個性を活かした空間のようです。
そう思わせるのは、このマンションが47年前に建てられたということもあるでしょうし、(共用部であるがために交換が難しい)古い鋼製ドアが付いているから、というのもあるかもしれません。
そんな感慨に浸りながら、玄関土間の横にある引き戸を開けると、そこには大容量の下足入れが現れました。
モルタルとは対照的に、こちらはステンレス製レール+白ポリ化粧棚板という近年の住宅でよく使われる建材です。絶妙な奥行のこの空間は、靴はもちろんですが、トイレットペーパーや洗剤などのストック品を収納しておくのにも重宝しそうです。
レトロさを感じさせる一方で、しっかりと機能が考えられたつくりになっているのもポイントですね。
その左側にある扉は、もう少し奥行がある収納スペース。
キャンプ道具などのかさ張るものを入れておくのに良いかもしれません。スチールラックを入れるなど、使いやすいように工夫する余地がある収納です。
ちょうどこのコーナーに立つと、右側に玄関が、左側に光がたっぷり注ぐリビングが見えます。
コーナーを曲がったところにある引き戸の中はトイレ。
トイレは下水管の位置が決まっているため、向きは90度変わっていますが、改築前とほぼ同じ位置に設けられています。
次に玄関土間を挟んで逆サイドにある洗面脱衣室を見てみましょう。
帰宅したらまずはここに入り、服を洗濯機に入れてすぐにシャワー。楽な家着に着替えて奥のキッチンへと向かい、冷蔵庫からよく冷えたビールを取り出す…という流れで、ここを通りながら、仕事モードからリラックスモードへと完璧な切り替えができそうです。
ちなみに洗面台は温かみある木製の台と実験用シンクを組み合わせた造作洗面台。深さがあるので、汚れた衣類を手洗いするなど、スロップシンクのような使い方もできそうですね。
水栓はハンドシャワー付きなのでシンクの掃除も楽に行えます。
浴室は1坪タイプのユニットバス。ランドリーパイプと浴室乾燥機が付いているので、入浴時以外は物干しスペースとして活用できます。
ちなみに改築前の浴室がこちら。
0.75坪の浴室に「バランス釜」というレトロな給湯器が付いていました。古い浴室と比べると現代のユニットバスがいかに機能的か実感できますね。
間仕切りを取り払い、光あふれるLDKを実現。
ここからメインの空間であるLDKを見ていきましょう。
ライン照明が壁を照らす廊下を通り抜けると…
約25畳の空間が広がります。
以前は下の写真のように4つの部屋に分かれていたため、開放感に乏しく、特に窓から離れたダイニングキッチンは薄暗くなりやすいつくりでした。
空間を分断していた間仕切りや垂れ壁、建具を取り払うことで視界が開け、どこにいても7階ならではの眺望を楽しめる気持ちいい空間に生まれ変わっています。
「階高が低いマンションなので、圧迫感を減らすために天井を解体することにしました。ただ、コンクリートの素地があまりきれいな状態ではなかったため、厚みのあるモルタルで塗ることにしたんですね。せっかくなので、天井や梁だけでなく、柱や壁も塗ることにしました」と猪野さん。
以前は壁付けだったキッチンは、ダイニングや外の景色を眺められるオープンなアイランドキッチンに変わりました。
キッチン背面にある3枚の引き戸を開けると、その中は広々としたパントリー。お好みのキャビネットやラックを置いて使う想定ですね。もちろんコンセントも用意されているので、電子レンジやオーブントースターなどの調理家電を置けますし、引き戸を閉じれば生活感をすっきり隠すことができます。
ちなみにこちらの壁の向こうには隣室があり、収納スペースをこの壁側にまとめることで防音性を高めています。
そして、キッチンの隣には高さ150cmの壁で囲われたベッドスペースが。
空間を完全に区切っていないため、窓からの光が入ってきますし、エアコンで温めた空気や冷やした空気は部屋の隅々に行き渡ります。
遠くにビッグスワンを望むリビングとベッドスペース。
南側のベランダに面したリビングは、かつては和室があった場所でした。
解体後には、左手の押入があった場所まで空間を広げ、壁にはテレビボードを設けています。
幅広のテレビボードは植物や小物を飾れるゆとりがあります。
ちょうどソファの背中側にはベッドスペースを仕切る壁があり、どことなく落ち着いた気持ちになれるのも特長です。
床はブラックチェリーの天然木が使われた突板のフローリング。
天然木ならではの木目が味わい深く、濃い色味が壁や天井のモルタルと調和しています。
そして、ベランダから見えるのは大きな空と鳥屋野潟方面の街並み。
この日は春霞が掛かっていて遠くの山々はよく見えませんでしたが、正面にはうっすらとビッグスワンが見えました。
次にソファの後ろにあるベッドスペースを見てみましょう。
高さ150cmの壁に囲われた空間は、完全に仕切られていないにも関わらず独立した空間のように感じられます。また、大きな掃き出し窓があるため、リビングと同様に贅沢な眺めを楽しむことができます。
下地の構造が棚の役割を果たしているのもこの壁の面白さ。照明やメガネ、スマホや本など、眠る直前まで使っていたい様々な小物を好きな場所に置ける便利な壁です。
ベッドの足元側は幅広のクローゼットがありますので、ハンガーラックを入れて自分仕様にカスタマイズをして使うことができます。
開放感抜群のルーフテラスでリラックス。
一通り家の中を見ましたので、次に今回の記事のタイトルにも入れているルーフテラスに出てみましょう。
窓がやや高い位置にありますので、またいでいく形になります。
建物東側にあるこちらのルーフテラスは約29畳という広さ。午前中は日差しがたっぷりと注ぎますので、寒い季節以外は日陰ができる午後の方が過ごしやすそうです。
ビアガーデンを彷彿させる気持ちいい空間ですが、集合住宅のルーフテラスなので実際にお酒を飲んでワイワイ騒ぐのはマナー違反。
瀟洒なリゾートホテルのプールサイドであり余る時間を過ごすように、静かに飲み物を飲みながら読書にふける…というのがここでの嗜みと言えるのかもしれませんね。
そしてこのルーフテラス、やはり夜も素敵でした。
高い場所から夜景を眺められるのはマンションの高層階の醍醐味ですが、これ程の広さの屋外空間を占有できる部屋は、新潟市内のマンションを探し回ってもなかなか見つからないのではないでしょうか?
夜風を浴びながら月や星を眺めたり、夏には新潟まつりの花火も見えそうです。
天井を縦横に走るダクトレールにお好みの照明を。
最後に夜の室内の様子もご紹介します。
メインの照明は天井のダクトレールに取り付ける仕組みになっています。
現状は明るい昼光色のスポットライトが付いていますが、ダクトレールに取り付けられるものであれば、お好みの照明器具に取り換えることができます。
スポットライトに限らず、ダクトレール用変換プラグを使えばペンダントライトも取り付け可能。
また、テーブルライトやフロアライトを追加することで空間の印象をがらりと変えることもできます。
開放感と可変性に満ちた引き算の空間。
今回ご紹介したローズベイマンション、いかがでしたでしょうか?
欲しい要素を足し算していくのではなく、むしろ引き算をするようにしてつくられた空間。「マンションの一室で最大限の開放感を得るために、間取りはどうあるべきか?」。そんな問いに対しての、大胆でストレートな回答のようでもあります。
この開放的で眺めのいい部屋での暮らしは、これまでにないアイデアや価値観をもたらしてくれるのではないか?そんな期待感を抱いてしまう、ユニークで気持ちいい空間なのでした。
今後もぶっけんFOCUSでは、株式会社コーディネートが手掛けるリノベーション物件を中心に紹介していきます。今後の物件紹介もお楽しみに…!
写真・文/鈴木亮平
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